シャン州情勢について
大使館からのお知らせ
2014年10月6日
在ミャンマー大使館
1 当地報道によれば,9月29日から10月4日かけて,シャン州内において国軍と少数民族武装組織との間で戦闘が発生,また4日には州都タウンジーにおいて何者かによる爆弾事件が発生した旨報じているところ,概要以下のとおりです。

(1)北部クッカイ地区
9月29日以降,カチン独立軍(KIO)と国軍の間で戦闘が発生,1日まで継続し,国軍側に死者11名,負傷者4名が出ている。KIO側に参加しているタアン/パラウン民族解放軍(TNLA)関係者によれば,国軍側がTNLA部隊を包囲したことから,戦闘が始まった旨述べている。

(2)北部ラショー・ティーボー間の幹線道路
 10月2日午後3時頃,同州北部ラショー・ティーボー間の幹線道路(マンダレーと中国国境を結ぶ)上において,国軍部隊の車列が何者かによる爆弾攻撃を受け,国軍兵士1名が負傷した。

(3)中部チェーディー地区
10月2日から3日にかけて,同地区ワンハイ(シャン州軍発展党/シャン州軍北(SSPP/SSA-N)本拠地)において,国軍とSSPP/SSA-Nとの間で大規模な戦闘が発生した。SSPP/SSA-N関係者によると,国軍側で死者5名及び負傷者約50名,SSPP/SSA側で死者2名,負傷者3名となっており,少なくとも7か所で戦闘が発生しており,200人以上の地元住民が避難している。

(4)北部チャウメー地区
  10月4日午前10時40分頃,軍用車両10台が,同州チャウメー地区の幹線道路(マンダレーと中国を結ぶ)上を走行中,SSPP/SSA-Nと思われる武装勢力との間で戦闘が発生し,約20分継続した。数名が負傷している。

(5)北部ナムパウン地区
  10月4日午後6時頃,ナムパウン地区において,国軍補給部隊の車列が何者かによる爆弾攻撃を受け,兵士3名が負傷した。

(6)タウンジー市内
  10月4日午後10時10分頃,サオ・サン・トゥン区のバス停で爆発が発生,また同10時40分頃,ティットー区で爆発が発生し,同10時50分頃にも同付近で爆発が発生し,治安当局者2名が負傷した。その後,治安当局,タウンジー市警察などが捜査,巡回を行ったところ,まだ爆発していない2つの爆弾が発見されている。


2 これらの報道に対して,ミャンマー政府は,6日現在公式な声明を発表していません。

3 先月26日から29日にかけて,カレン州及びモン州において国軍と武装勢力側の戦闘が起こったばかりですが,今回はシャン州において戦闘がありました。今回の戦闘,爆弾事件と,これまでのカレン,モン両州における戦闘などとの関連性を示す証拠はありませんが,最近の情勢に鑑み,今後こういった戦闘,爆破事件の範囲が拡大する可能性も排除できない情勢となっております。
つきましては,カレン州,モン州及びシャン州の当該地域に渡航・滞在予定の邦人の皆様におかれては,以下の点に留意するとともに,最新の情報収集に努めてください。
(1)急を要しない訪問は延期する。
(2)軍関係者の集まる場所や標的となる可能性のある施設,政府機関,軍・警察関連施設には可能な限り近づかない。
(3)周囲への警戒を怠らないようにし,不審人物や不審物を察知したら速やかにその場から離れる