草の根・人間の安全保障無償資金協力ヤンゴン環状鉄道輸送強化計画及び債務救済無償による鉄道中古車両引渡式典の開催
 2015年9月28日、草の根・人間の安全保障無償資金協力により支援されたミャンマー国鉄ヤンゴン環状鉄道輸送強化計画の鉄道中古車両引渡式典が行われ、JR東日本株式会社から寄贈された日本製気動車(キハ40及びキハ48)が、ヤンゴン~チーミンダイン~バゴー間で試運転を行いました。
式典には、当館から樋口建史特命全権大使、JR東日本株式会社から西山隆雄常務取締役(国際担当)、ミャンマー側からは、ニャン・トゥン・アウン鉄道運輸大臣兼運輸大臣、ミン・テイン鉄道運輸副大臣、フラ・ミン・ヤンゴン市長、アウン・キン・ヤンゴン地域政府交通大臣、トゥレイン・ウィン・ミャンマー国鉄総裁をはじめ、多くの関係者や地域住民が出席し、ヤンゴン環状線で運用予定の計22両の鉄道車両が到着したことが発表されました。
引渡式典では、ニャン・トゥン・アウン大臣が日本の支援に感謝を述べ、「ミャンマーの鉄道設備の近代化の遅れは深刻です。今後、更に発展が予想されるミャンマー経済にふさわしい交通網の整備と、大量輸送に対応可能な輸送手段の整備が求められています。」と述べました。
続いて、樋口建史大使が、日本とミャンマーがともに環状鉄道を持つ国であるという共通点に触れた後、JICAによる調査を引用し、「ヤンゴン都市圏の鉄道利用はわずか1%程度に過ぎず、現在の慢性化した道路渋滞を解消するためにも鉄道利用を拡大することが、今後のヤンゴンの街づくりに不可欠です。日本は官民を挙げて、ミャンマーにおける鉄道の近代化を支援致します。」と述べ、日本とミャンマーの友好関係が更に発展することを願い、挨拶を締めくくりました。
日本政府は、草の根・人間の安全保障無償資金協力により、749,926米ドルの資金供与を通じ、上記車両の輸送費及び技術移転費用を支援しました。併せて、債務救済無償を通じて、約100万米ドルの資金供与を行い、JR東海株式会社から中古車量の調達を支援しました。日本政府は、今後も草の根・人間の安全保障無償資金協力など様々なスキームを通じ、ミャンマーの各分野に対し支援を行っていく予定です。また、こうした支援が二国間の友好関係の発展に繋がることを期待しています。