ミャンマー一般事情

 

1.

1988年、全国的な民主化要求デモにより26年間続いた社会主義政権が崩壊しましたが、国軍がデモを鎮圧するとともに、国家法秩序回復評議会(SLORC:The State Law and Order Restoration Council)を組織し、政権を掌握しました(1997年、SLORCは国家平和開発評議会(SPDC:State Peace and Development Council)に改組)。1990年には総選挙が実施され、アウン・サン・スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD:National League for Democracy)が圧勝しましたが、政府は民政移管のためには憲法が必要であるとして政権移譲を行わず、この状態が今日まで続いています。

2.

2003年8月、政府は民主化のためのロードマップを発表しました。その後政府は、同ロードマップに基づき、新憲法に盛り込む基本原則を審議するための国民会議を再開し、2007年9月に新憲法の基本原則を採択しました。さらに、政府はこの基本原則を基に新憲法草案を起草し、2008年5月には、同草案採択のための国民投票を実施し、全投票者の9割以上の賛成を得て同草案を採択しました。2010年には、採択された新憲法に基づく総選挙が実施される予定です。

3.

一方、2003年5月30日以降、アウン・サン・スー・チー女史は政府により再度の自宅軟禁措置を受けており、また、NLDは1990年総選挙の結果の尊重等を唱え、上記ロードマップのプロセスに反対の姿勢を示しています。

 

 

4.

2007年8月及び9月には、燃料価格の大幅な引き上げを契機に僧侶を中心とするデモが国内各地で発生しました。政府はこのデモに対し武力を用いて鎮圧し、多数の死傷者を出しましたが、その後は、政府の厳しい取り締まりの下、治安状況は平静に戻っています。

 

 

5.

2008年5月2~3日にかけて、ミャンマー南西部エーヤワディー管区に大型サイクロンが上陸し、ミャンマー南部一帯に大きな被害が発生しました(ミャンマー政府発表によれば、本サイクロンによる死者数は84,537名、負傷者数は19,359名、行方不明者は53,836名)。

 

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