※本情報は、海外に渡航・滞在される方が自分自身の判断で安全を確保するための参考情報です。本情報が発出されていないからといって、安全が保証されているというものではありません。

※本情報は、法令上の強制力をもって、個人の渡航や旅行会社による主催旅行を禁止したり、退避を命令するものでもありません。

※海外では「自分の身は自分で守る」との心構えをもって、渡航・滞在の目的に合わせた情報収集や安全対策に努めてください。

【ミャンマーに対する渡航情報(危険情報)】(平成23年4月12日発出)

 

 

●全土 : 「十分注意してください。」 (継続)

☆詳細については、下記の内容をよくお読みください。

 

 

1.概況
(1)ミャンマーでは、2010年11月におよそ20年ぶりの総選挙が実施され、2011年3月末に軍事政権から民政移管が行われました。2011年4月初旬現在、国内の民主化勢力は目立った活動を行ってはいませんが、状況に応じては、今後再び政治的緊張が高まる可能性も排除できず、それが一般治安情勢の悪化につながるおそれも懸念されます。

 

(2)2010年4月、ミャンマー最大のお祭りである水掛祭期間中に、ヤンゴン市内で爆弾テロ事件が発生し、死者10人、負傷者168人を出す甚大な被害が生じました。その後も、ヤンゴン市内をはじめ各地域・州において小規模ながら爆弾事件が発生しています。

 

(3)中国、ラオス、タイとの国境付近では、ミャンマー国軍と少数民族武装勢力との間で散発的ながら戦闘が行われている地域があります。2010年11月には、タイとの国境近くに所在する少数民族武装勢力のひとつが、カレン州ミャワディ地区においてミャンマー国軍と交戦の末、一時的にこれら地域を占拠したため、当該地域からの避難民がタイ国内にまで流出する事態も発生しました。同地域では、現在も国軍と武装勢力との間で小規模な戦闘が続いており、爆弾事件等も散発的に発生している模様です。
また、2011年3月には、シャン州のタイとラオスとの国境付近を震源とする地震が発生し、震源地を中心として甚大な被害が生じました。

 

(4)2008年5月に上陸した大型サイクロンは、エーヤワディ地域及びヤンゴン地域を中心として15万人を越える死傷者及び行方不明者を出し、また、2010年10月に上陸したサイクロンは、ヤカイン州を中心とした地域に甚大な被害を与えました。今後とも、サイクロンの発生・進路状況には注意が必要です。

 

(5)2007年8月にガソリン等燃料価格の大幅値上げが実施されて以降、ヤンゴン市ほか国内各地で大規模なデモが頻発しました。現在、大規模なデモは発生していませんが、今後も、更なる物価の上昇等様々な要因を引き金としてデモが発生する可能性は排除できません。

 

 

2.地域情勢
全土:「十分注意してください。」

 

(1)ミャンマーでは、2010年11月に、1988年に成立した軍事政権の下で実施された1990年の総選挙以来、およそ20年ぶりの総選挙が実施されました。その結果、2011年2月、テイン・セイン首相が大統領に選出され、同年3月の正式就任により、軍事政権からの民政移管が行われました。
一方、軍事政権下で続いていた民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁措置は、総選挙実施直後に解除されましたが、1990年の総選挙で大勝した同氏率いる国民民主連盟(NLD)は、総選挙前に政党の再登録を行わなかったため、解党された状態が続いています。選挙後の活動が注目されていたNLD等民主活動勢力は、2011年4月初旬現在、目立った動きを見せていません。しかしながら、状況によっては、今後再び政治的緊張が高まる可能性も排除できず、それが一般治安情勢の悪化につながるおそれもありますので、引き続き注意が必要です。

 

(2)ミャンマーでは、最大の都市ヤンゴン市をはじめ、各地において以下のような爆弾事件等が発生しています。不測の事態に巻き込まれることのないよう十分な注意が必要です。(中国、ラオス、タイとの国境付近については以下(3)を御参照ください。)
(イ)ヤンゴン市
2010年4月15日、ミャンマー最大のお祭りである水掛祭により混雑を極めていたカンドージー湖の南側路上に手榴弾3個が投げ込まれ、10人が死亡、168人が負傷するという甚大な被害を伴うテロ事件が発生しました。当局の発表によれば、実行犯は「強力ビルマ学生戦士(VBSW)」と称する組織の活動家4人で、この爆破により国民の間に恐怖を生じさせ、平和と平静を破壊し、最終的に総選挙を妨害することを目的としていた由です。なお、同組織は2004年から2008年までの間に、ヤンゴン市内のトレーダース・ホテル裏駐車場での爆弾事件をはじめ、19件の爆弾事件に関与したとされています。
このほか、ヤンゴン市では、2010年中にも次のような事件が発生しています。
○2010年9月:外国人観光者も多く訪れるボージョー市場近くの木造の橋で爆弾が発見された事件(警察当局により不発処理)
○2010年11月:ダウンタウンに位置するチャウダダー地区にあるネットカフェ店内から時限爆弾4発が発見された事件(警察当局により不発処理)
○2011年2月:フラインターヤー地区郊外での地雷爆発事件(1人負傷)
○2011年2月:インセイン地区の露店付近での爆弾事件(8人負傷)

 (ロ)バゴー地域
バゴー地域バゴー市とタウングー市との間の幹線道路付近及びその東部周辺地域では、森林、農園、道路等において、2010年中だけで31件(死者5人、負傷者31人)の爆弾事件等が発生しています。
その多くは、地雷による小規模な爆発で、主に森林や農園等一般的に外国人が立ち寄る可能性の低い場所で発生していますが、このような場所には立ち入らないよう注意が必要です。一方、2010年4月にバゴー市内人家付近で起きた爆弾事件(1人負傷)のように、一般市民が巻き込まれる可能性の高い場所においても爆弾事件は発生していますので、同地域の治安情勢には引き続き十分に注意してください。

 

(3)中国、ラオス、タイとの国境付近(中国、タイ、ラオスと国境を接するシャン州、タイと国境を接するカヤー州、カレン州、モン各州及びタリンダーリー地域の一部)には、少数民族武装勢力が存在し、各地で以下のような状況や事件等が発生しています。

(イ)近年、ミャンマー国軍は、タイとの国境にあるカレン州バゴー地域において、少数民族武装勢力のひとつである「カレン民族同盟(KNU)」に対する攻勢を特に強めています。そうした中で、2010年11月には、KNUから分離した「民主カレン仏教徒軍(DKBA)」が、カレン州ミャワディ地区のタイ・ミャンマー友好橋付近を含む市街地と同州スリーパゴダ地区の市街地を襲撃し、ミャンマー国軍部隊と激しい交戦の末、一時的にこれら地域を占拠したことから、避難民がタイ国内にまで流出するという事態が発生しました。同地域では、現在もミャンマー国軍とDKBAとの間で散発的な戦闘が続いています。

(ロ)シャン州南部では、ミャンマー国軍と反政府少数民族武装勢力「シャン州軍南(SSA-South)」やミャンマー政府と和平協定を結んだ少数民族武装組織「統一ワ州軍(UWSA)」との間で、また、カヤー州ではミャンマー国軍と反政府少数民族武装勢力「カレンニー民族開発党(KNPP)」との間で、小規模な戦闘が散発しています。

(ハ)ミャンマー新憲法の規定では、ミャンマー国内のすべての武装勢力はミャンマー国軍の管理下におかれることとなっていることから、少数民族武装勢力を擁する反政府組織の一部(カチン独立機構、シャン州軍北、新モン州党、KNU、KNPP、チン民族戦線)は、政府側からの圧力が強まることを想定し、2010年11月、その対抗措置として共闘態勢を組むことを合意した模様です。

(ニ)反政府組織ないしは少数民族武装勢力が存在する国境地帯では、2010年以降に限っても、各地において以下のような爆弾事件等が発生しています。
○シャン州
コーカン地区:2010年2月、麻薬博物館付近での地雷爆発事件(9人負傷)
パンロン地区:2010年2月、小規模発電施設付近での地雷爆発事件(4人負傷)
マインピャ地区:2010年5月、山中での地雷爆発事件(1人負傷)
リンケー地区:2010年6月、路上での爆弾事件(2人死亡、1人負傷)
マントン地区:2011年1月、地雷爆発事件(1人死亡)
ヤッサウ地区:2011年3月、地雷爆発事件(1人負傷)
○カヤー州
ロイコー地区:2010年4月、警察署内での爆弾事件(容疑者1人死亡、警察官4人負傷)
○カレン州
コーカレイ地区:2010年2月、雑貨店前での時限式爆弾事件(5人負傷)
2011年3月、地雷爆発事件(1人負傷)
パプン地区:2010年3月、走行中のバスが地雷で爆発した事件(2人死亡、11人負傷)、山中での地雷爆発事件(1人負傷)
2010年5月、走行中のバスが地雷で爆発した事件(2人死亡、3人負傷)
2011年1月、爆弾事件(1人負傷)、地雷爆発事件(1人負傷)
2011年2月、地雷爆発事件(1人負傷)
タウイェーカッ・ダム:2010年4月、建設現場での爆弾事件(4人負傷)
スリーパゴダ地区:2010年5月、路上での爆弾事件(2人負傷)
タンダウン地区:2010年7月、路上での地雷爆発事件(8人死亡)
2010年8月、路上での地雷爆発事件(1人負傷)
2010年12月、路上での地雷爆発事件(4人負傷)
ミヤワディ地区:2010年8月、市場付近でバイクにしかけられていた爆弾爆発事件(2人死亡、4人負傷)、森林での地雷爆発事件(1人負傷)
2011年1月、地雷爆発事件(1人負傷)
2011年2月、地雷爆発事件(2人負傷)、時限爆弾事件(2人死亡、6人負傷)
カマーマイン地区:2010年11月、路上での地雷爆発事件(2人負傷)
チャーインセイッチー地区:2011年1月、地雷爆発事件(1人負傷)
2011年2月、地雷爆発事件(2人負傷)
パアン地区:2011年2月、地雷爆発事件(1人負傷)
○モン州
チャイマヨー地区:2010年4月、電信関連施設での爆弾事件(3人負傷)
ビリン地区:2011年2月、地雷爆発事件(1人死亡、3人負傷)
○タリンダーリー地域
ダウェー地区:2011年1月、地雷爆発事件(1人負傷)

(ホ)2011年3月、シャン州のタイとラオスとの国境付近(タチレイク市とチャイントン市の間のターレー市近郊)を震源とするマグニチュード6.8の地震及び多数の余震が発生し、震源地を中心として多数の死傷者が出たほか、官公庁、僧院や民家並びに幹線道路が損壊する等、甚大な被害が生じました。

 (ヘ)中国、タイ、ラオスとの国境付近やその周辺地域を中心に、少数民族武装勢力の活動等に伴う安全上の理由から原則外国人の立ち入りを禁止する「旅行制限区域」が設けられています。業務などによりこれら制限区域への渡航を検討される場合には、事前に旅行代理店等を通じ、ミャンマー政府当局(国防省、内務省等)の許可を取得する必要がありますが、仮に旅行許可を取得できた場合でも、出発前には再度目的地周辺の治安情勢を確認するなど慎重な行動が求められます。無断で「旅行制限区域」に立ち入った場合、入管当局等に身柄を拘束されたり、不測の事態に巻き込まれたりする可能性も排除できませんので、危険が予想される地域への旅行は厳に控えてください。なお、国境付近への旅行の必要性が見込まれる場合は、事前に在ミャンマー日本国大使館にもご相談ください。

 

(4)2008年5月に上陸した大型サイクロン「ナルギス」による被害は甚大で、最も被害の大きかったエーヤワディ地域及びヤンゴン地域を中心に、死者約8万5千人、行方不明者約5万4千人、負傷者約1万9千人に及ぶ被害者が出たほか、住宅や農業用地をはじめ、電気・水道・通信・交通網等のインフラが壊滅的被害を受けました。
また、2010年10月に上陸したサイクロン「ギリ」も、ヤカイン州を中心とした地域に甚大な被害を与えました。今後ともサイクロンの発生・進路状況には注意を払う必要があります。

 

(5)2007年8月にガソリン等燃料価格の大幅値上げが実施されて以降、同国最大の都市ヤンゴン市ほか国内各地で大規模なデモが頻発しました。特にヤンゴン市では、一般民衆もデモに参加するなど、最大で数万人に上るデモ行進が頻発しました。
同年9月、ヤンゴン市内のシュエダゴン・パゴダ付近で、パゴダに入場しようとしたデモ参加者を、治安当局が警棒で殴打したり、催涙弾を発砲したりする事件が発生し、また、スーレー・パゴダも治安当局により閉鎖され、付近で発砲が行われました。なお、この際、ヤンゴン市内でデモを取材中の日本人ジャーナリストが銃弾を受け、死亡する事件が発生しています。
現在では、治安当局の厳しい取締りもあり、大規模なデモは発生していませんが、更なる物価の高騰等様々な要因が引き金となってデモが再燃する可能性は排除できませんので、引き続き注意が必要です。

 

 

3.滞在に当たっての注意
滞在中は、下記の事項に十分留意して行動し、危険を避けるようにしてください(この他の留意事項などについては、「安全対策基礎データ」を参照してください。)。また、外務省、在ミャンマー日本国大使館、現地関係機関、報道等から最新情報を入手するよう努めてください。

(1)テロや不測の事態に巻き込まれることのないよう、標的となる可能性のある政府機関、軍・警察関連施設には可能な限り近づかないでください。

 

(2)ショッピングセンター、映画館、バス停や市場など人が多く集まる場所でも爆弾事件が発生していますので、人が多く集まる場所では周囲への警戒を怠らないようにしてください。また、不審な状況を察知したら速やかにその場から離れてください。なお、爆弾テロ事件の注意事項については、2010年6月3日付け広域情報「爆弾テロ事件に関する注意喚起」も御参照ください。

 

(3)集会やデモが行われている場所には決して近づかないでください。

 

(4)政府庁舎、刑務所、軍・警察関係施設、港湾及び橋梁などは写真撮影禁止となっています。

 

(5)麻薬等違法薬物関連犯罪に対しては厳しい取り締まりが行われており、違反すると罰則が科されます。罪が重大で悪質と判断されるときには死刑を宣告されることもあります。

 

(6)道路整備状況は劣悪で、交通マナーも悪く、整備が行き届いていない車両も多いため、各地で交通事故が多発しています。また、都市部を除く地域では街灯も極めて少ないこと等から、夜間に発生する事故の割合も多くなっています。バス等による夜間の長距離移動は極力避けてください。

 

(7)現地に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですので、到着後遅滞なく在ミャンマー日本国大使館へ「在留届」を提出してください。また、住所その他の届出事項に変更が生じたとき、又はミャンマーを去る(一時的な旅行を除く)ときは、必ずその旨を届け出てください。
なお、「在留届」は、在留届電子届出システム(ORRネット、 http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )による登録をお勧めします。また、郵送、FAXによっても行うことができますので、在ミャンマー日本国大使館まで送付してください。

 

 

4.隣国のタイ、ラオス、中国、インド、バングラデシュに対しても、それぞれ危険情報が発出されていますので、これらにも御留意ください。

 外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)

   住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

   電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5139

 

 外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)

   

   住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

   電話:(代表)03-3580-3311 (内線)3678

 

 

 外務省領事サービスセンター(海外安全担当)

   

   住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

   電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902

 

 

http://www.anzen.mofa.go.jp/

http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)

 

 在ミャンマー日本国大使館

住所:No,100,Natmauk Road, Bahan township, Yangon, The Union of Myanmar

電話:(市外局番01)549644~549648

    国外からは(国番号95)-1-549644~549648

FAX:(市外局番01)549643

    国外からは(国番号95)-1-549643

ホームページ:http://www.mm.emb-japan.go.jp/

 

 

 

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